川崎総合法律事務所

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大韓民国 水原(スウォン)地方弁護士会を訪問して

熊谷 靖夫 (弁護士)

 横浜弁護士会は平成15年に韓国の水原地方弁護士会と姉妹提携し,毎年交互に訪問を行い,国際交流やセミナーを実施しています。 今年は横浜弁護士会が水原を訪問する番でしたので,私も訪問団の一員として平成18年10月27日に水原を訪れました。 水原地方弁護士会はソウル近郊の京畿道水原市に本部をもつ弁護士会で,水原市やその周辺の19の市,郡に事務所をもつ弁護士395名の会員が登録している韓国ではソウル地方弁護士会に次ぐ規模の弁護士会です。

写真1:

 水原地方法院(裁判所)の会議室で行われたセミナーでは「捜査の可視化」というテーマで被疑者に対する取調べの透明性と公正さの確保について日韓双方の制度や取り組み,今後の課題について弁護士,裁判官,検察官からの報告・研究発表がなされました。 密室での取調べでは,時には捜査機関による暴力や嘘,騙しなどによって被疑者が肉体的精神的に追いつめられて虚偽自白が生じ,えん罪事件を生み出す原因となるためその可視化が重要になってきます。 日本では密室での取調べが行われておりますが,韓国では弁護人が被疑者の取調べに立ち会うことを認めているだけでなく被疑者や参考人の取調べ状況を映像録画しこれを法廷に提出する制度があり日本よりも「可視化」が進んでいる報告を聞いて大変に勉強になりました。 そして検察庁ではテレビカメラが設置された取調室の見学もありました。

 セミナーや表敬訪問のあとの交流会では,日本語に訳すると「バクダン」と呼ばれるウイスキーのビール割りを片手に,拙い英語と身振り手振りで深夜まで水原地方弁護士会の会員のみなさんと交流を深めました。

 捜査の可視化についての韓国の先進的な取り組みを目の当たりにした強い衝撃と「バクダン」という強いお酒のダブルパンチによる頭痛を抱えながら帰国した今回の訪問は,目の前のたくさんの事件処理に追われて,現状の制度の中だけで小手先で処理をしてしまいたくなる自分を見つめ直すよい機会でした。

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