川崎総合法律事務所

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クレーマー問題について

種 村  求 (弁護士)

 昨今,クレーマー問題が社会問題化しており,私自身,この問題に関して相談を受けることも増えています。

 クレーマー問題については,企業等に寄せられるクレームのすべてが違法・不当な要求なものとはいえない(正当なクレームも多数ある。)こと,ごく普通の一般の方が悪質なクレーマーとなりうることの2点が,対処の仕方を難しくしているように思います。

 暴力団員がみかじめ料を要求するような明らかに違法・不当な要求の場合であれば,毅然と断ることこそが唯一の対処法ですが,クレームの場合,まず,クレームを出す方の話をよく聞いて,正しいクレームなのかどうかを判別する作業が必要になります。その上で,そのクレームが異常なものかどうかを考える必要があります。

 クレームが正当なものであればそれこそ誠実に対応する必要があります。他方,クレームの内容自体が異常なものだったり,内容自体は正当であっても要求内容が異常に過大なものだったりした場合には,たとえそのクレームを出されている方が一般の方であっても,企業としてはそのクレームを異常なものと認識して,法的スキームに則って対処することを検討する必要があります。しかし,企業人の方には「お客様は神様だ。」という標語が染みついているせいか,「なんとかクレームをやりすごそう。」として,法的スキームに則った対処まで踏み込めないことが多いように思います。

 とはいえ,一部の悪質なクレーマーの不当な要求に屈すると,そのクレーマーはますます増長しさらなるクレームに発展しかねませんし,ほかのお客様との平等な取扱いにも反してしまいます。不当な要求に屈することで会社に損害を与えることもありますし,背任等により刑事罰が科されることだってありえます。
 法的スキームに則った適切な対処こそ企業に求められるので,それに沿う適切なアドバイス・交渉を行う能力が弁護士に求められるでしょう。私自身,そのような弁護士となるために日々研鑽を積まなければならないことを痛感しております。

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